• 
• 
• 
• 
• 
• 
• 
• 

遺伝(2)　ハエの飼育の準備，雌雄の区別など

飼育ビンなどの準備

• 飼育ビン
  直径3cm、高さ10cmくらいの管ビンを使用する。栓はスポンジ栓を使うが、綿栓を用いる場合もある。
• 滅菌
  カビや細菌などによる汚染を防ぐため、使用するガラスビンとスポンジ栓は、滅菌器で滅菌する。本校では、120℃で90分の滅菌を２回行った。
• 恒温器の消毒
  恒温器は内部をエタノールでふき、25℃にセットする。内部の温度が安定するには２日ほどかかるので早目にスイッチをいれておく。

エサ作り

• エサのレシピ（飼育ビン40本分）
  • 水　　　　　　　　　　　　(400ml)
  • 粉寒天　　　　　　　　　　(4.0ｇ)
  • 乾燥ビール酵母(エビオス)　(32ｇ)
  • 砂糖　　　　　　　　　　　(20ｇ)
  • プロピオン酸　　　　　　　(2.0ml)
  • ボーキニン　　　　　　　　(2.0ml)
    (パラオキシ安息香酸ブチル（p-hydroxybutylbanzoate）の商品名。食品添加用として入手できるらしい。防腐・殺菌作用をもつ。)
• 作り方
  1. 水に寒天を入れ、火にかける。
  2. 寒天が透明になり、溶けてきたらエビオスを入れよく混ぜる。
  3. 砂糖を加え、さらに混ぜ、沸騰させる。
  4. 火からおろし、プロピオン酸とボーキニンを加える。
  5. バットに水をはり、鍋を入れさます。(かき混ぜながら)
  6. 人肌の温度になったら手早く飼育ビンに分ける。
  7. 飼育ビンの上にさらしをかけ、雑菌やほこりがはいらないようにさめるのを待つ。(数時間)
  8. さめたら、スポンジ栓をして、ラベルをつける。ラベルはわら半紙を小さくきり、大和糊でつけておく。
  9. 恒温器にいれて、準備完了。ショウジョウバエの到着を待つ。

ショウジョウバエの入手

• 「東京都立大学理学部生物学教室」から次の２種を譲って頂きました。
  • 野生型(Wild Type: ＋Oregon-R)
  • 黒檀体色(ebony)
• 詳しくは東京都立大学ショウジョウバエのサイトを見て下さい。

雄・雌の区別

体長は、一般にメスの方が大きい。
メスは、白くふくれていて先端に産卵管があり、尖っている。	オスは、ややほっそりとしていて、先が黒い。

ハエの移し替え

• 飼育ビンにいるハエを他のビンに移すもっとも基本的な作業である。ハエを逃がさないように素早くできるように練習する必要がある。(以下は移し替えの例である)

1. 右利きの人は左手に、空ビンとハエの入っているビンを並べて持つ。
2. ビンの底をもう一方の掌でたたいてビンの中のハエを落とす。
3. 素早く両方のビンのスポンジ栓を右手の中指・薬指・小指の３本を使ってはずす。このとき、栓は手に持っていること。
4. 右手の親指と人差し指でハエの入っているビンを取り、逆さまにして、口を空ビンの口に合わせる。
5. 両方のビンの口を合わせたまま掌でしっかり握りなおし、空ビンを下にして先程の要領でビンの底を掌でたたいて、ハエをすべて落とす。
6. ハエが移ったら、右手で上側のビンを取り、ハエの入ったビンにスポンジ栓をする。

※ハエを落とすにはコツがいります。何度もたたくよりも一度強めにたたいた方が効果的です。ただし、ビンを割らないようにしっかり握るようにしてください。また、栓を手に持ったまま作業をするのは、机の雑菌やダニが付くのを防ぐためです。

麻酔の方法

• 雌雄をわけたり、数を数えるときはハエを動かないようにするため麻酔をかける必要がある。

1. 麻酔をかけるハエを空ビンに移す。
2. スポンジ栓のすきまからジエチルエーテルのガスを注入する。
3. 麻酔の程度にもよるが、15分～20分ほど麻酔が効いているので、その間に作業を行う。

実験フォトギャラリーはこちら

「(1)ショウジョウバエの生活史」へ ／ 「(3)交雑－Ｆ1の観察－Ｆ2の観察」へ

ページの先頭へ

Copyright© 2015 MAkasaka All Rights Reserved.