ミクロメーターの使い方
顕微鏡で観察したものの大きさを測定する器具であるミクロメーターの使い方を学ぶ。また、接眼ミクロメーター1目盛りの大きさを計算する。
操作手順
- 接眼ミクロメーターを接眼レンズの筒の中に入れる。
レンズの内側に「たな」がある接眼ミクロメーターの目盛りはピントに関係なくはっきり見える。

- 対物ミクロメーターをステージにセットする。
対物ミクロメーターの1目盛りは0.01mm(10μm)である。

- 対物ミクロメーターにピントを合わせる。
-
接眼レンズを回し、対物ミクロメーターと接眼ミクロメーターの目盛りを平行にし、目盛りの一部が重なり合うようにする。
右図:数値の入ったのが接眼ミクロメーター、太い線が対物ミクロメーターの目盛りです。
- 両方の目盛りが一致している所を2ヶ所見つけ、その間の目盛り数を数える。

- 接眼ミクロメーター1目盛りの大きさを計算する。
対物ミクロメーター の目盛り数
=----------------------------- ×10
接眼ミクロメーター の目盛り数
4.の実写の例では、 1/4 ×10 = 2.5μm となります
5.の図の例では、 7/5 ×10= 14μm です
※補足
実習
接眼レンズと対物レンズを替えて、各倍率について接眼ミクロメーター1目盛りの大きさを求める。
|
対物レンズ |
×4 |
×10 |
×40 |
接 眼 レ ン ズ |
×7 |
μm |
μm |
μm |
×15 |
μm |
μm |
μm |
まとめ
- 実際に標本の大きさを知るときは、対物ミクロメーターは使わずに接眼ミクロメーターのみを使って長さを測定しますが、この理由を考えてみましょう。
普通は標本と対物ミクロメーターの両方にピントが合いません。また、対物ミクロメーターは1枚5000円くらいしますから、その上に標本をのせて観察するのは避けたいです。
- 接眼レンズを替えずに、対物レンズの倍率を4倍にすると、接眼レンズのミクロメーター1目盛りは何倍になりますか。
対物ミクロメーターは,見かけはスライドグラスと同じようなものです。目盛は倍率を変えれば異なって見えますが,1目盛の大きさは10μmとわかっています。
接眼ミクロメーターの1目盛の長さを知るには,[接眼?対物レンズ]の各組み合わせごとに,対物ミクロメーターの目盛と接眼ミクロメーターの目盛がぴったり合っているところを探して,それぞれ目盛数を数えます。
次に,接眼ミクロメーター1目盛が対物ミクロメーターの何目盛と等しいかを計算します。
「4.の実写」の場合1/4=0.25目盛,「5.図」の場合7/5=1.4目盛になります。
対物ミクロメーターの1目盛は10μmですから,この数を10倍すれば,接眼ミクロメーター1目盛の本当の長さが求まります。