メニューをスキップしてコンテンツへ
Welcome to MAkasaka's Homepage
Sorry Japanese only
MAkasaka's Homepage キャラクター
TOPページ > 高校せいぶつ実験 > 好気呼吸(コハク酸脱水素酵素)の実験

好気呼吸(コハク酸脱水素酵素)の実験

好気呼吸のクエン酸回路では、脱水素酵素の働きでコハク酸(呼吸基質)から水素が除去され、フマル酸が生じる。この過程を、メチレンブルーが変色する性質を用いて確かめる。
原理

※脱水素酵素がコハク酸(C3H6O3)から水素を取り出し、フマル酸(C3H4O3)を生じる。取り出された水素は補酵素FAD(フラビン・アデニン・ジ・ヌクレオチド)に運搬され好気呼吸では次の過程で利用される。本実験では、水素が生じたことを知るためにメチレンブルー(Mb)を入れておき、Mbが無色のMb・H2になることで、それを確認する。
 また、Mb・H2は空気にふれることにより、水素が酸素と結びついてしまうため、再び青色に戻ってしまう。これを防ぐため、流動パラフィンで空気を遮断したり、ツンベルグ管を使い排気して実験を行うのが一般的である。

材料
方法
  1. モヤシ(30g)をハサミで細かくきざみ、乳鉢に入れ乳棒で擦り潰す。
  2. これをガーゼに入れて搾り、酵素液とする。
  3. 3本の試験管A,B,Cにそれぞれ酵素液を5mlずつ入れる。
    材料のモヤシと乳鉢 搾ったモヤシ汁 Bだけ加熱する
  4. アルコールランプで試験管Bを沸騰するまで加熱する。
  5. 試験管A,Bにはコハク酸ナトリウム溶液を2mlずつ入れる。試験管Cには蒸留水を2ml入れる。
  6. 3本の試験管にぞれぞれメチレンブルー溶液を2滴加え、全体が均一な青になるまで静かに振り混ぜる。
  7. 試験管内の液と外の空気が直接振れないようにするために、流動パラフィンを1mlずつ加える。(今回の実験ではこの作業は省略した)
  8. 3本の試験管を40℃の温水の入ったビーカーに入れ、変化が見られるまで放置する。(15分から20分)
  9. 色の変化が起きた試験管をビーカーから取り出し、空気が混ざるように激しく振り混ぜ色の変化を観察し、再び温水に入れ観察してみる。
試験管 加 え た 物 質 色の変化
酵素液+コハク酸ナトリウム+メチレンブルー  
加熱した酵素液+コハク酸ナトリウム+メチレンブルー  
酵素液+蒸留水+メチレンブルー  
結果
実験結果
左からA,B,C
考察
  1. メチレンブルーを無色にするために必要な物質は何だろうか。
    水素
  2. その物質は、どこから供給されたのだろうか。それぞれの試験管について考えよう。
    A:コハク酸ナトリウムから水素が取り出された。
    B:酵素が加熱によって働きを失っているため水素を取り出せない。
    C:酵素液として使ったモヤシの汁に呼吸基質が含まれていたと考えられる。
  3. 操作8で試験管を振ると再びメチレンブルーが青くなる理由を考えよう。
    空気と混ざり合うことによって、メチレンブルーと結びついていた水素が酸素と反応し水になるため。
  4. 好気呼吸の過程でコハク酸から取り出された水素は、何という過程で利用されるのだろうか。
    水素伝達系
  5. クエン酸回路の化学反応式を書いてみよう。
     2C3H4O3 + 6H2O → 6CO2 + 20[H] + 2ATP
    ピルビン酸
  6. 試験管Aに流動パラフィンを1ml加えて同じ実験をすると、メチレンブルーを無色にする効率はどうなるだろうか。
    空気中の酸素にふれることを防げるので効率は良くなる。
ページの先頭へ
TOPページ > 高校せいぶつ実験 > 好気呼吸(コハク酸脱水素酵素)の実験