摩擦係数の測定
目的
- 斜面の傾斜をしだいに大きくしてゆき、木片が滑り出す角度から、摩擦係数μを求める。
準備
- 木板、プラスチック板(下敷きなど)、木片、分度器、おもり、糸、雑巾
方法
- 木板にプラスチック板を貼り付ける。斜面の角度を測定するため、図のように分度器をとりつけ、分度器の中心からおもりを下げる。
- プラスチック板を乾いた雑巾でよく拭いてから、木片を置き、板を水平な状態からゆっくりと傾斜を増してゆく。
- 木片が滑り出す角度を分度器で読み取る。測定は3回行い、平均をとり、θ1とする。(実験1)
- 木片を置く面を変えて、接地面積を変え、同様の実験をし、θ2とする。(実験2)

|
1回目 |
2回目 |
3回目 |
平均 |
θ1 |
18.6 |
19.0 |
18.2 |
18.6 |
θ2 |
17.9 |
18.3 |
18.7 |
18.3 |
処理
- (1) 摩擦係数μを求める式
- 木片の重さをwとすると、
wの斜面に平行な力の成分(木片が滑りおりる力)は、
--<1>
また、垂直抗力の大きさは、
となるので
最大摩擦力の大きさは、
である。--<2>
木片が滑り出す瞬間は、<1>と<2>が等しい。
∴
= 
よって、摩擦係数は
で計算できる。
- (2) 「三角関数の表」の正接(tan)の値から「静止摩擦係数」を求める。
実験1: μ=0.3365
実験2: μ=0.3307
考察
- 板の傾斜を大きくしていくと、垂直抗力はどう変化するか。
板の傾斜θが大きいほど、木片の重さwの斜面に平行な力の成分(w×sinθ)は大きくなり、斜面に垂直な力の成分(w×cosθ)は小さくなる。垂直抗力の大きさは(w×cosθ)に等しいので、垂直抗力は大きくなる。
- 摩擦係数が大きくなるとθはどのように変化するか。
摩擦係数を求める式(μ=tanθ)から、摩擦係数が大きいほどtanθの値も大きくなる。tanθの値は、θが大きいほど大きくなる。
- 実験1、2の結果を比較して、摩擦係数と接地面積はどんな関係があるか考える。
摩擦係数は接地面積には関係ないと判断できる。
実験プリントpdfファイル