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コンデンサの電気容量

目的

原理

  1. 図1 I-tグラフ一般に電流I[A]によって時間t[s]の間に運ばれる電気量Q[C]はQ=Itで求められる。これは、図1のように I-t グラフの面積に等しい。
  2. 本実験では、 I-t グラフは図2のようになる。この面積の求め方はいろいろあるが、ここでは時間を10秒ごとに区切って台形をつくり、各面積の和からQを求める。
    よって、数式Q=10*(I0/2+I10+I20+・・・)
  3. 本実験では、電流Iを測定する代わりに電圧Vを測定し、オームの法則 I=V/R によりIを求める。
    よって、電圧計の内部抵抗がRのとき、上式は、
    数式Q=10/R*(V0/2+V10+V20+・・・)になる。
    図2 I-tグラフ

準備

実験に使用したコンデンサー

方法

  1. 使用するレンジについて電圧計の内部抵抗をテスター等で測定する。
  2. 極性があるコンデンサーの場合は、極性に気をつけて図のように配線する。
  3. 電源を入れて、電圧V0を読み、記録する。
  4. 電源を切り離すと同時に計時を始め、10秒ごとに電圧を読み、記録していく。
  5. 電源電圧V0を変えて、同様の測定を行う。

内部抵抗10kΩの電圧計では1000μFや2000μF,内部抵抗15kΩの電圧計では3300μFや4700μFのコンデンサーが測定に適している。

配線の様子
電源を接続してコンデンサーを充電する。 電源を切り離して計測を開始する。
実験の様子1 実験の様子2

処理

  1. 電圧Vの記録データから電流Iを計算して表を完成し、I-tグラフとQ-V0グラフを描く。
  2. Q-V0グラフの傾きから電気容量を計算する。

結果

実験1.コンデンサー(2200μF) 電圧計(15Vレンジ 内部抵抗R=15kΩ)
時間
t[s]
1回目 2回目 3回目
電圧
V[V]
電流I[A]
I=V/R
電圧
V[V]
電流I[A]
I=V/R
電圧
V[V]
電流I[A]
I=V/R
0 4.40 2.93×10-4 8.40 5.60×10-4 12.50 8.33×10-4
10 3.20 2.13×10-4 6.20 4.13×10-4 9.10 6.07×10-4
20 2.50 1.67×10-4 4.60 3.07×10-4 6.80 4.53×10-4
30 1.80 1.20×10-4 3.50 2.33×10-4 5.10 3.40×10-4
40 1.40 0.93×10-4 2.60 1.73×10-4 3.80 2.53×10-4
50 1.00 0.67×10-4 1.95 1.32×10-4 2.90 1.93×10-4
60 0.80 0.53×10-4 1.50 1.00×10-4 2.20 1.47×10-4
70 0.60 0.40×10-4 1.10 0.73×10-4 1.60 1.07×10-4
80 0.50 0.33×10-4 0.90 0.60×10-4 1.30 0.87×10-4
90 0.40 0.27×10-4 0.70 0.47×10-4 0.98 0.65×10-4
100 0.30 0.20×10-4 0.50 0.33×10-4 0.70 0.47×10-4
110 0.25 0.17×10-4 0.40 0.27×10-4 0.56 0.37×10-4
120 0.20 0.13×10-4 0.30 0.20×10-4 0.48 0.32×10-4
電気量 *式より Q= 0.01010 [C] *式より Q= 0.01897 [C] *式より Q= 0.02785 [C]
電気容量 C = Q/V = 2295 [μF] C = Q/V = 2258 [μF] C = Q/V = 2228 [μF]
I-tグラフ 内部抵抗15kΩの電圧計
Q-V0グラフ 2200μFのコンデンサー
グラフの傾きから求めた電気容量
= 2228 [μF]
実験2.コンデンサー(3300μF) 電圧計(15Vレンジ 内部抵抗R=10kΩ)
時間
t[s]
1回目 2回目 3回目
電圧
V[V]
電流I[A]
I=V/R
電圧
V[V]
電流I[A]
I=V/R
電圧
V[V]
電流I[A]
I=V/R
0 5.60 5.60×10-4 10.00 10.00×10-4 15.00 15.00×10-4
10 4.40 4.40×10-4 7.50 7.50×10-4 11.10 11.10×10-4
20 3.20 3.20×10-4 5.50 5.50×10-4 8.10 8.10×10-4
30 2.30 2.30×10-4 4.00 4.00×10-4 6.00 6.00×10-4
40 1.70 1.70×10-4 2.90 2.90×10-4 4.50 4.50×10-4
50 1.20 1.20×10-4 2.15 2.15×10-4 3.25 3.25×10-4
60 0.90 0.90×10-4 1.60 1.60×10-4 2.40 2.40×10-4
70 0.65 0.65×10-4 1.20 1.20×10-4 1.70 1.70×10-4
80 0.50 0.50×10-4 0.80 0.80×10-4 1.30 1.30×10-4
90 0.40 0.40×10-4 0.60 0.60×10-4 0.90 0.90×10-4
100 0.30 0.30×10-4 0.45 0.45×10-4 0.70 0.70×10-4
110 0.20 0.20×10-4 0.30 0.30×10-4 0.50 0.50×10-4
120 0.10 0.10×10-4 0.25 0.25×10-4 0.40 0.40×10-4
130 0 0 0.20 0.20×10-4 0.30 0.30×10-4
140 0 0 0.15 0.15×10-4 0.20 0.20×10-4
150 0 0 0.10 0.10×10-4 0.15 0.15×10-4
160 0 0 0.10 0.10×10-4 0.10 0.10×10-4
170 0 0 0 0 0 0
180 0 0 0 0 0 0
電気量 *式より Q= 0.01865 [C] *式より Q= 0.0328 [C] *式より Q= 0.0491 [C]
電気容量 C = Q/V = 3330 [μF] C = Q/V = 3280 [μF] C = Q/V = 3273 [μF]
I-tグラフ 内部抵抗15kΩの電圧計
Q-V0グラフ 3300μFのコンデンサー
グラフの傾きから求めた電気容量
= 3269 [μF]

考察

  1. I-tグラフの面積を求めるには、この実験方法の他にどんな方法があるか。
    「曲線を数式化して、積分する方法」、「方眼紙にグラフを描いて、マスを数える方法」などが考えられる。
  2. 実験結果から理論式Q=CVが成り立つことを説明せよ。
    Q-V0グラフが原点を通る直線になることから、QとVは比例することがわかる。よって、Q=CVが導かれる。
  3. 誤差の原因として考えられるものをあげよ。
    I-tグラフは結果のグラフのように曲線になるが、電気量Qは台形の面積から求めている。これは、電気量が実際より大きくなる原因になる。また、電流が完全に0にならないうちに測定を終了していることは、電気量が実際より小さくなる原因になる。その他、接点の抵抗、電圧計の読み取り誤差なども考えられるが、公称値と比較してかなり近い測定結果が得られたといえる。

実験プリントpdfファイル

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